函館不動産 侏儒の呟き

函館で約20年間不動産業界に身を置いており、お客様に対する本音と建前の矛盾に日々奮闘しています。20年間函館の不動産に携わる者として、函館の不動産状況やお客様に言えない本音の部分について独りで呟いております。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【オープンハウス】~意外と得るものがあります~

函館の不動産業者は、毎週土日にオープンハウスと言うものを行います。大体営業マンが1人現地に待機して、お客様の接客を行います。時間は10:00から16:00の間で行う会社が多いようです。 現地には営業マンが用意した物件の資料、物件購入時にかかる費用の…

【不動産営業】~数字を上げる~

先日、地場の不動産業者で営業をしているF氏より相談を受けました。 内容は端的に言うと、今月の売上の数字が足りないという事でした。不動産営業は数字に非常にシビアな仕事です。 前年度の成績が非常に良かったとしても、今年度の成績が悪ければ降格になり…

【函館市の地盤】~水にまつわる町名~

土地の売買をする時、買主様からこの土地の地盤はどう?的な事を良く聞かれます。 そこの土地は、函館の谷地頭町でした。買主様には「あまり良くないかもしれません」と答えたのですが、心の中では「多分、函館で1番悪いかもしれない」と思っていました。も…

【残事物】~どこまで荷物を撤去するべきか~

先日、家の売却が決まり2週間後に物件を引渡すお客様(売主様)から、どこまで荷物を撤去したら良いかと言う相談を受けました。 結果から言うと、設備以外の荷物はすべて撤去して頂く形になります。 設備とはキッチンやボイラー、水道管、パネルヒーター等新…

【不動産屋が隠し持っている未公開物件とは】~都市伝説~

良くお客様に未公開物件はありませんか?という質問を良く受けます。今でも不動産業者は広告をしていない物件を隠し持っているという都市伝説的なものが存在します。 ネットとかでもハウスメーカーや不動産屋は公開してない物件をもっているので問い合わせる…

【コロナ騒動が収まった函館の不動産の今後】

コロナ騒動もかなり収まってきている感がある函館ですが、このコロナの対応は不動産業者によって多種多様でした。 大手の不動産業者ではオープンハウスの自粛や営業マンの在宅ワーク(テレワーク)をしているところも有りました。 ある地場の業者はyoutubeを…

【前面道路の幅員】~4mくらいだと不便です~

函館近郊では前面道路の幅員が4mくらいの土地が多数売りに出ています。前面道路の幅員が狭いからと言って坪単価が1万円変わるという事はないのですが、個人的にはそれくらいの不便さが有るのではないかと思っています。 まず、幅員が4mくらいだと除雪車が…

【都市計画道路】~土地を売ろうとするときは気を付けてください~

函館で不動産を売ろうとする時、結構な頻度で都市計画道路の予定地に敷地の一部がかかっている場合があります。 都市計画道路とは、自治体が将来において道路整備を予定している道路の事です。その道路予定地に自分の敷地が一部でも含まれていると売買する時…

【予想外の出費が稀に起きる上水道管の接続】~個人管と水道権利金~

函館市の上水道管は、基本的に函館市水道局(企業局)の所有物なのですが、個人の方が所有している上水道管(以後、個人管という)もいまだに多数存在します。 現在、個人管から自分の敷地内へ上水道管を引込んでいる場合は、その管を使っている間であれば特…

【木の越境】~切っていいのは枝?根?

先日、買主様から隣の方の家からはみ出ている木の枝や植栽を切ってもらえないのかと言われました。 不動産における良くある越境の問題なのですが、基本的に隣の方の木の枝や植栽が自分の敷地の境界ラインからはみ出ていても切る事はできません。 あくまで、…

【意外と知らない水による問題】~高低差や井戸もトラブルの原因になります~

不動産では水によるトラブルが多々あります。函館では雨と雪が関係してきます。 例えば、道路よりも土地が低くなっていると雨水や雪解け水が道路から敷地内に侵入してきます。当たり前の事なのですが、意外と家を建てる施工会社によっては大丈夫と言っておき…

【築30年以上の中古物件】~安いと魅力的なのですが、リスクもあります。~

最近、函館では築30年以上の中古物件が売れているように感じます。築30年以上なので建物の価値は無く、ほとんどが土地代なのですが、価格が1000万円を切る価格帯の物件が多いので中高年のお客様(買主様)が、お買い求めになられるケースが多いです。 もちろ…

【不動産の価格】~消費税はかかる?かからない?~

物件の案内をしている時に、お客様(買主様)から良く質問される事の1つに「この物件の価格は消費税込みなの?」というものがあります。 今、函館の市場で売りに出ている物件のほとんどは、消費税がかからないので物件価格に消費税が加算されることはありま…

【下水道を使用するための受益者負担金納付済みですか?】

先日、汲取り式のトイレを使用している建物を解体し、更地にして土地を売却する事になりました。この時、受益者負担金を収めているか確認したところ未納という事だったの売主様に事情を説明し納付していただきました。 売主様からすれば、寝耳に水だったと思…

【物件の維持管理】~契約から引渡までの間~

以前、物件の契約が終わり10日後に引渡という物件で, 引渡前にカーポートが積雪により倒れるという事が有りました。 売主様は、その物件に住んでいたわけでは無いのですが、近くに住んでいた為、カーポートの倒壊を発見したとおしゃっていました。 その時、…

【不動産の値段交渉はお得?】~値段交渉のリスク~

物件案内をして買主様から物件を購入したいと言われたら、買付申込書というものに署名・捺印してもらいます。 その時、買主様に良く聞かれるのが値段交渉は可能かどうかという事です。 答えはもちろん可能です。物件の価格は売主様が決めており絶対的なもの…

【まさかの経費計上】~意外と知らない減価償却~

本日、税理士事務所に勤めているお客様とお会いしました。その時に少し為になる減価償却の方法お聞きしました。 Aという賃貸アパートのオーナー様が築年数30年以上の木造アパートを購入したのですが減価償却でき無いとおしゃっていました。 その事を税理士事…

【正当な事由】~6ヶ月で退去?~

先日、所有している長屋を売りたいというお客様を訪問しました。 話の内容としては、2世帯が入居している長屋を売却したいというものでした。 お客様の主張としては、正当な事由があれば6ヶ月で2世帯の賃借人を追い出すことができるから、半年後に土地建物を…

【業法違反?】~昔ながらのやり方を続ける業者は~

函館にも創業何十年という不動産業者が多数存在します。その中には、昔ながらのやり方を続けているところがあります。 昔ながらのやり方を否定する訳ではないのですが、現在の法律に合致していない事を続けているのがやはり気になります。 例えば、一般媒介…

【コロナ騒動後の函館の不動産状況】~意外と動いている?~

コロナ騒動も少し落ち着きこれから長期戦が始まる感じがしますが、現在の函館の不動産売買の状況は意外と悪くない感じです。 もちろん、函館は観光メインの街なのでホテルの廃業、飲食店の閉店等多くのダメージはあったのですが、今は普通に仕事ができている…

【出世から落ちる人】~誰が悪い?~

不動産業者の営業マンにも出世争いはあります。しかし、非常に浮き沈みが激しい業界だと思います。 ただでさえ実力主義の世界です。過去にどんなに売上を上げていても、現在まったく売上がなければ今の地位を失います。 それに加え、上司の依怙贔屓や社内の…

【不動産売買では正論が通用しない場合が多々あります】~人間が相手です~

以前、土地の引渡をしたお客様(買主様)から、隣の方の事で相談があると連絡が有りました。 正直、やっぱり来たかと思いました。なぜなら、お客様は問題が起こる行動を物件購入時にしていたからです。 お客様は古家付きの土地を購入希望ということで当社に…

【初見で何か違うと思うお客様】~物件案内時に思う事~

メールや電話で物件のお問合せを受け、現地待ち合わせでお客様(買主様)をお待ちするのですが、お客様が来て挨拶するその時に、このお客様は購入しない、そして売ったら駄目だと感じる時があります。 もちろん、見た目や第一印象等で先入観を持って仕事をす…

【民法が改正ついて大家さんと話した事】

民法が変わり不動産取引にも徐々に影響が出始めています。 今までのやり方では、売主様や貸主様に不利益な事が多くなり、本日情報を求めて日頃懇意にしている賃貸アパートのオーナー様がご相談に来られました。 まず、初めに質問された事が、不動産を売却し…

【不動産の売却】~離婚によって連帯債務の住宅を売却するケース~

先日、物件の引渡しが終わりました。その物件の売却理由が離婚によるものでした。 離婚自体は、夫婦間の事なので、1つのライフスタイルの変化ではあると思うのですが、この離婚による売却の時に売主様の思惑と違う結果になる事が多々あります。 今回も新築を…

【購入しようする物件または売却しようとする物件に越境があった場合】

不動産の売買をしているとよくあるのが越境の問題です。 簡単にいうと自分の敷地に他人の所有物(越境物)が入っている。または、他人の敷地に自分の所有物(越境物)が入っている状態です。 このような事が起きる理由はいろいろ有るのですが、例えば昔の測…

【住宅ローンの審査に落ちる(盲点)】~団体信用生命保険~

不動産を購入する為に住宅ローンを借りる場合、まず最初に住宅ローンの事前審査と言うものを大抵は行います。 この審査でお客様の年収や借入等を審査し、個人情報にブラック等の傷はないか、返済比率は問題ないか等を調べます。 ここでOKだったお客様は、そ…

【現実的には意外と難しい住替え】~今住んでいる家を売って新しい物件を購入する場合~

不動産売買の査定をする時に、住んでいる家を売って新しい家を購入したいという相談を良く受けます。 この時に、手持ちの現金で新しい家を購入する場合は何の問題も有りません。 しかし、住んでいる家を売却したお金で新しい物件を購入する場合は、正直、現…

【査定で高い査定額を提示する不動産業者】~業者の選び方~

不動産を売却しようとする時は、不動産業者に自分のもっている不動産の価値がいくらなのか教えてもらうため、査定を依頼すると思います。 その時、自分が思っていた金額より高い査定金額を伝えられと嬉しくなると思います。 しかし、ここで注意していただき…

【権利証はありますか?】~権利証が無いと~

不動産売買には権利証(登記識別情報)が必要になります。 権利証(登記識別情報)とは、正確には登記済証と言われるもので、不動産登記法が改正された平成17年3月7日以降は登記識別情報と言われています。どれも、その所有者が登記名義人である事を証明する…