【不動産の売却】～離婚によって連帯債務の住宅を売却するケース～

　先日、物件の引渡しが終わりました。その物件の売却理由が離婚によるものでした。

　離婚自体は、夫婦間の事なので、1つのライフスタイルの変化ではあると思うのですが、この離婚による売却の時に売主様の思惑と違う結果になる事が多々あります。

 　今回も新築を建て10年で離婚を決意されたケースなのですが残債の問題が絡んできました。

　函館では新築で家を建てて返済期間が10年しかないと残債が2000万円前後残っているケースが多いのですが、今回も残債が2000万円近くあり2100万円以上での売却を望んでおられました。

　売主様の地域では2000万円前後でローコストの新築が建てられる地域なので、2100万円を出費して築10年の中古物件を購入したいと思う方は少ないように思いました。

　更に、この夫婦はお二人の収入を合算して毎月の返済を行っていました。離婚が決まりご主人が家を出る形になったのですが、ご主人は一人で毎月の返済を行っており、その返済も限界に近づいておりました。

　そして、ご夫婦の仲が最悪の状態なのでお互いに連絡を取合う事が無く、私が中に入り各々連絡をする状態でした。

　共有名義でローンが組まれていたので、残債が払えなければ両者とも個人情報に傷が付きます。

　何度か購入希望のお客様を案内したのですが、予想通りなかなか決まらない状態だったのですが、ある日1組のご夫婦を案内したら申込が入りました。

　しかし、申込金額が1800万円だった為このまま売却すると、残債300万円不足してしまう内容でした。

　おそらく、相場としては買主様の1800万円の金額が妥当だとは思います。後は売主様の判断になります。

　ちなみに、売主であるご主人には預金がまったく無く、この金額で申込を受けると残債（返済）に足りない分は借金しなければならない状況でした。

　奥様も相変わらず、ご主人と連絡を取りたがらず、売却に関してはご主人に任せます的なスタンスでした。

　この申込を断れば毎月の返済が限界にきており任意売却か競売かという状況でした。その事をご主人、奥様に話した結果、最後はご主人が金融機関から足りない分を借金して残債すべてを返済する形で売却が無事終了しました。

　離婚は感情的な判断で行ってしまう事もあるとは思いますが、函館では残債が1000万円くらいになってから行うことをお勧めします。