函館不動産 侏儒の呟き

函館で約20年間不動産業界に身を置いており、お客様に対する本音と建前の矛盾に日々奮闘しています。20年間函館の不動産に携わる者として、函館の不動産状況やお客様に言えない本音の部分について独りで呟いております。

【物件価格の交渉】

 買主様を物件に案内して、申込を頂いた時、価格の交渉があった場合はいつも少し考えます。

 

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 価格交渉がある申込をもらった場合、不動産業者の行動は決まっています。売主さんに連絡する事。

 

 しかし、ここで正直に「今、お客様を案内して申込を頂きました。しかし、〇〇〇万円の値引き交渉があります。」とは売主様に伝えません。

 

 このような場合、不動産業者は「明日、〇〇時にお客様を案内する事になりました。とても前向きに検討していただけるお客様です。しかし、もしかしたら、値段交渉が入る可能性があります。値段交渉がはいりましたら、私の方で一切判断せずに〇〇様(売主様)へそのままお伝えしますので宜しくお願い致します。」的なワンクッション置くような事を伝えます。

 

 このように伝える事によって、そのまま伝えた時より、値段交渉が成功する可能性が上がります。

 

 また、案内前に売主様へ案内するお客様がいる事もあまり伝えません。なぜなら、案内が有る度に、売主様へ伝え、何組も案内して申込にならなかった場合、営業力が無いと思われてしまうからです。

 

 このように、お客様が知らないところで、不動産業者は様々な駆引を独り考え行動しています。

 

 しかし、この駆引は何の為の駆引なのか、わからない営業マンがほとんです。もちろん、価格交渉が成功すれば買主様は喜ぶし、不動産業者は仲介手数料が入るので売上は上がります。しかし、その分売主様は損をします。

 

 不動産業者は売主様・買主様の相反する利益の調整をするのも仕事の1つなんですが、この利益の調整は営業マンの感覚(主観)によるもので、絶対的なものではありません。

 

 自分の判断は正しいのか、ただ売主様に不利益を与えただけなのか。正解はわからないのですが、だからこそ上記に記載している駆引をせず、売主様にそのまま「今、案内して価格交渉が入りました。」と伝えた方が良いのではないかと考えます。

 

 正解は無く、答えも決まっているのですが、なんとなく考えます。