函館不動産 侏儒の呟き

函館で約20年間不動産業界に身を置いており、お客様に対する本音と建前の矛盾に日々奮闘しています。20年間函館の不動産に携わる者として、函館の不動産状況やお客様に言えない本音の部分について独りで呟いております。

【引渡】

 中古の不動産売買は、代金を支払い物件の引渡を受けた時に取引が終了になります。

 

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 ここで気を付けて頂きたいのが、買主様はここで不動産業者や売主様に物件の状態について文句を言えなくなってしまいます。

 

 なぜなら、ほとんどの契約書には「現状渡しでの引渡が条件です」的な文言が入っているからです。

 

 引渡し前であれば、おかしいと思った物件の状態について不動産業者にいう事によって、何かしらの対応はしてもらえます。

 

 まだ物件の代金をすべて支払っていないので、不動産業者もトラブルを避けるために対応してくれます。

 

 しかし、引渡が終わった後は契約書の文言を盾にして動いてくれない場合があります。

 

 しっかりとした不動産業者であれば、引渡の当日に物件の動作確認をしてくれます。どのような確認かというと電気・水道・ボイラー等を実際に作動させて問題ない事を見せてくれます。

 

 そこで問題があった時は、売主様に対応してもらう。その代わり、確認した後に不具合が生じても買主様で対応する。このような前提条件のもと引渡時の確認を行います。

 

 すべての業者がこのような対応をしてくれるとは限りません。なので、物件購入の申込をする時に、引渡時の動作確認を条件にしてもらいます。

 

 ここで営業マンに「中古物件なので現状渡しとなり、それはできない」と言われたら次のように伝えてください。「以前、何度か不動産を購入した事があるが、その時はしてもらった」と。

 

 それでも嫌がるようならば、お断りしても良い物件かと思います。余程その物件に不具合が無い限りは、せざる負えないと思います。

 

 そもそも、事前に水道管やボイラー等に問題がある時は買主様に伝えなければならないし、その確認をせず現状渡しと言う文言を盾に何もしないのは契約不適合であり営業マンの怠慢です。引渡の時はぜひ確認をするようにして下さい。