函館不動産 侏儒の呟き

函館で約20年間不動産業界に身を置いており、お客様に対する本音と建前の矛盾に日々奮闘しています。20年間函館の不動産に携わる者として、函館の不動産状況やお客様に言えない本音の部分について独りで呟いております。

【土地現金購入】

 土地を現金で購入のお客様には注意が必要です。「現金なのでローンも無くすぐ購入できます」と聞いて鵜呑みにしヒアリングを怠ると後で痛い目をみる場合があります。

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 その理由は土地購入の目的にあります。その土地を新築を建てる為に購入する場合、土地は現金で買っても建物はローンを組むというケースが普通にあるからです。

 

 そうなると、土地を買った後に銀行の審査を行うのですが、仮に不承認(駄目)だった場合は大変な事になります。

 

 まず、不承認がわかった時の状況で起こる事が変わります。契約が終わり決済に移る段階の時は、別な銀行に事前審査を出すという話になるので、決済日を伸ばす合意書又は変更契約書を交わさなければならなくなります。(ここで違約解除もできますが、たいていの不動産業者は問題になる事を恐れて延期を考えます。)

 

 それでも、銀行からの借入が駄目だった場合は、不必要な土地を購入するか、違約解除しかなくなります(ここまでくると手付解除期限はとっくに過ぎていると思います)。

 

 しかし、買主からすると必要のない土地を購入したくないし、違約金も払いたくないので契約自体を反故にする行動をとってくる可能性があります。こうなったら正直面倒臭いことになります。

 

 次に決済自体が終わっている場合です。買主は現金を払って所有権を移転してしまっているので、銀行の借入が駄目でも問題を起こすケースは少ないのですが、書類や説明の仕方に何らかの不備があった場合は、そこを突いて面倒臭い事になるケースもあります。

 

 どちらにしろ、買主は不動産購入が初めてという方がほとんどなので、深く考えず行動してしまう場合が有ります。

 

 土地を現金で買うから土地売買の事だけを考えるのではなく、土地購入の目的や用途を確認し、起こりうる問題を事前に買主に伝える事も大事なのだと思います。